たった一つのSNSの投稿で、世の中に大きな影響を与える「インフルエンサー」。
インフルエンサーマーケティングは、影響力・発信力の高いインフルエンサーを活用したSNSマーケティングです。
インフルエンサー自体は現代のようにSNSが普及するようになる前から存在していたものの、これほどまで大きな市場へ発展したのはSNS・ブログなどの進化が大きく関係しています。
インフルエンサーが日本でも注目されるきっかけになったと言われているのが、2014年2月の日本語アカウント開設。日本の月間アクティブユーザー数は2015年6月には810万人となり、その後も右肩上がりにユーザー数を増やし、2019年には3,300万人を突破しました。
現在でも大きな市場となったインフルエンサーマーケティングですが、その市場規模は今後もさらに大きく拡大していくことが予測されています。
この記事では、インフルエンサーマーケティングの市場規模について詳しく解説します。
目次
インフルエンサーマーケティング市場規模が拡大している理由
まずは、インフルエンサーマーケティングがここまで大きな市場規模となったその背景について、見ていきましょう。
ユーザーの購買行動・検索行動の変化
これまで商品やサービスの宣伝といえば、テレビコマーシャル(CM)や広告などといったマスメディア広告が一般的でした。しかし、インターネットの発展により現代ではユーザーの購買行動や検索行動は大きく変化。
現代のユーザーの購買行動には、インターネット上に投稿された欲しい商品の口コミ・製品レビューが大きく影響しています。
また、それに伴う検索行動についても同様に、これまではユーザーはググる(Googleなどの検索エンジンを使用して)ことでの情報収集がメインでしたが、現在ではInstagramやTwitterなどのハッシュタグ検索で「タグる」ことで、欲しい商品を買うか・買わないかの判断を行っています。
さらに、現代のようなSNS時代では、インフルエンサーマーケティングは単に一時的な商品・サービス・ブランドの宣伝に留まらないという点もポイントです。
今注目されているマーケティングフレームワークに「ULSSAS(ウルサス)」というものがあります。
出典元:hottolink
- U:UGC(ユーザー投稿コンテンツ)
- L:Like(いいね)
- S:Search1(Instagram・TwitterなどSNSでの検索)
- S:Search2(Google・Yahoo!など検索エンジンでの検索)
- A:Action(購買)
- S:Spread(拡散)
自社の投稿や広告配信を起点に、ユーザーが「いいね」を付ける。その後SNS検索、GoogleやYahoo!での検索、購買、シェアと、UGCが拡散していきます。UGCがまた新たなUGCを生むことで、認知拡大・拡散が繰り返し行われていくというサイクルです。
インフルエンサーによる投稿は企業の投稿に比べて広告色が緩和され、拡散されやすいなど多くのメリットがあります。インフルエンサーマーケティングはULSSASによる集客・売上増加の仕組み構築のきっかけ作りとしても有効な存在といえるでしょう。
狙いたいターゲットにリーチしやすい
インフルエンサーのフォロワーは、インフルエンサーの日々の投稿内容や人柄に共感や魅力を感じている人たちです。
すでに共通の興味・関心があるたため、「インフルエンサーが興味のあるもの=ユーザーが興味のあるもの」である可能性が高くなります。つまり、企業は確度の高いユーザーに最短距離でアプローチできるのです。
また、インフルエンサーに憧れや好意を抱いているユーザーも数多く存在しています。「信頼するインフルエンサーが勧めている」ということで最初から強く興味を惹くことができ、購買意欲を向上させやすいこともメリットです。
高い費用対効果
インフルエンサーによる投稿は、企業が作成したものよりもエンゲージメント率(いいね・コメント・投稿の保存・シェアなどユーザーのリアクション数)が高くなる傾向にあります。
コストを削減しつつ、高い費用対効果を期待できるという点もインフルエンサーマーケティングが数多くの企業に注目される理由の一つでしょう。
インフルエンサーマーケティングの市場規模について
株式会社デジタルインファクトと株式会社サイバー・バズが共同で行った「国内ソーシャルメディアマーケティングの市場動向調査」では、インフルエンサーマーケティングを含むSNSマーケティング市場は今後も大きな伸びが予測されています。
ここからはこの調査結果について、詳しく解説していきます。
SNSマーケティング市場は2025年には1兆円超え
調査では、国内ソーシャルメディアマーケティング市場規模は2020年に5,519億円で前年比107%となる見通しとなっており、2021年には6,714億円に。その後も市場規模は拡大し、2025年には1兆1,171億円にもなると予測されています。
日本では経済産業省がDX(デジタル・トランスフォーメーション)化を推進するなどデジタル化が急速に進んでいますが、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の影響により、その流れはさらに加速することとなりました。
新規顧客の獲得と育成のために戦略的なアカウント運用を行う企業も増加しており、SNSはユーザーと企業との接点、そして販売チャネルとして今後もその役割はどんどん大きくなっていくことでしょう。
インフルエンサーマーケティング市場は右肩上がりに拡大
出典:デジタルインファクト調べ
SNSマーケティング市場と同様に、インフルエンサーマーケティングの市場規模も右肩上がりで上昇しています。
2017年の時点ではTwitter/ブログが中心となっていたものの、2018年にはInstagramの市場規模が上回り、その差は年々開いていくことが予想されています。
インフルエンサーマーケティング全体の規模も2028年には約1,000億円近い市場となるなど、インフルエンサーを起用したマーケティング戦略は企業にとって今まで以上に重要な選択肢となるといえるでしょう。
中でもInstagramは今後も大きく成長する予測
インフルエンサーマーケティング市場の中ではYouTube、そしてInstagramが今後大きく成長する見通しです。
2018年のインフルエンサーマーケティングのうち、企業案件の9割以上がInstagramによるものだったと言われています。
Instagramは若年層や女性向けを中心に考えられてきましたが、近年では40代以上の女性や男性にも利用が拡大。販売チャネルとしての重要性もますます高まっていくことになるでしょう。
InstagramはTwitter・YouTubeに比べて宣伝効果が大きい
調査結果から、InstagramはTwitter・YouTubeに比べて大きな宣伝効果があると判断されていることがわかります。
インフルエンサーマーケティングで大きな割合を占めるYouTube、Twitter、Instagramそれぞれのメディアの月間アクティブユーザーが下記です。
- YouTube…6,200万人
- Twitter…4,500万人
- Instagram…3,300万人
Instagramは3つのメディアの中では最もアクティブユーザーが少ないものの、その市場規模は2021年にはTwitterの2倍を超えます。ユーザー数に対し、Instagramは市場規模が大きいのです。
また、Instagramは宣伝効果だけではなく「購買転換率(SNSで情報に接触後、購入に至った割合)」についても高い数値を記録しています。
アジャイルメディア・ネットワークが行った「SNSからの購買転換率比較」の調査によれば、他のSNSは特定の商品に偏りを見せていた一方、Instagramはほとんどのジャンルで高い購買転換率を示すという結果に。
Instagramは高い宣伝効果が見込めるだけではなく、購入につなげることができるSNSといえます。
まとめ
SNS利用者の増加やユーザーの消費行動の変化によって、インフルエンサーマーケティングの市場規模は年々大きくなっています。
今後は5Gによる通信の高速化・大容量化も予想され、動画・画像分野のメディアは安定して成長していくでしょう。
インフルエンサーマーケティングでは、インフルエンサーのキャスティングが最も重要と言っても過言ではありません。「いいね数は増えたのに購入につながらない」という場合、インフルエンサーのフォロワーの中にターゲットとなるユーザーが含まれていない可能性があります。
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