インフルエンサーの起用に失敗しないために…インフルエンサーマーケティングの課題と対策　

インフルエンサーマーケティングにおける重要課題の一つに、「インフルエンサー選定」があります。

商品との相性がよいインフルエンサーが見つかればその施策は成功する可能性が高まりますが、インフルエンサー選定を誤ったために、思ったほどの効果が出なかった経験を持つ企業も多いでしょう。インフルエンサーマーケティングの成否は、インフルエンサーにかかっているといっても過言ではないのです。

そこでこの記事では、インフルエンサーの起用に失敗しないためにはどうすれば良いかを整理し、対策を解説していきます。

インフルエンサーマーケティングの懸念事項

インフルエンサーマーケティングでは、インフルエンサーの技量によって結果が変わる点、つまり、企業側が全てはハンドリングできない点に不安を持つ人も多いでしょう。

Web広告やSNS広告なら企業がクリエイティブの細かいところまでチェックして制作指示を出せますが、インフルエンサーマーケティングではそういうわけにいかないため、二の足を踏んでいる企業もあるかもしれません。例えば、次のような点に懸念を抱いている人も多いのではないでしょうか。

• インフルエンサーマーケティングは本当に結果が出る？
• インフルエンサーマーケティングで炎上するのでは？
• インフルエンサーは信用できる？

そこで、これらの懸念を払拭するための対処法を紹介していきます。

インフルエンサーマーケティングは本当に結果が出る？

インフルエンサーマーケティングで本当に結果が出ているのか、懐疑的な人もいるかもしれません。実際に、SNS投稿のリーチ数や動画再生数などの数値は取れるかもしれませんが、それがいくらの売り上げにつながっているのかは見えにくいことも多いからです。

インフルエンサーマーケティングの効果には「長期的な効果」と「短期的な効果」がありますが、短期的な効果として、コンバージョンを測定するというのも一つの方法です。例えば、以下のような方法はインフルエンサーマーケティングでよく見られます。

• クーポンコードをつける
• 成果報酬型にする

それぞれの方法を見ていきましょう。

クーポンコードをつける

クーポンコードとは、PR投稿を見てその商品を買うことにした人向けの割引クーポンコードのことをいいます。PR投稿内にクーポンコードが書かれており、商品を購入する際にそれを入力すると割引価格で購入できる仕組みになっています。インフルエンサーマーケティングでは、インフルエンサーごとに異なるクーポンコードを設定することで、どのインフルエンサーからいくらの売り上げ効果があったかを測るという施策がよく行われています。

クーポンコードは消費者にメリットのある施策なので、インフルエンサー側が宣伝しやすいというメリットもあります。頼まなくても繰り返しPRしてもらえる場合もあるので、積極的に取り組んでもらえるインフルエンサーを選ぶのが成功の一つの鍵になるでしょう。

成果報酬型にする

インフルエンサーに支払う報酬の形態は、複数あります。一般的なのはフォロワー単価型と呼ばれる方法で、下記のような計算式で報酬を算出します。

（フォロワー単価）×（フォロワー数）

これに対して成果報酬型の場合は、PR投稿から売上が発生すると売上の一部がインフルエンサーにキックバックされます。売上に応じて報酬額が決まるので企業にとっては都合のよい方式ですが、インフルエンサーにはあまり人気がないというのが実情です。

インフルエンサーマーケティングで炎上するのでは？

インフルエンサーマーケティングを行ううえで、炎上が気になっている企業も多いでしょう。

SNSで炎上した事例がよく伝えられるため、SNSといえば炎上というイメージを持つ人もいるかもしれませんが、実は炎上しているのはごくわずかな投稿です。正しく投稿すれば炎上することはありませんので、それほど気にすることではないのです。

下記のポイントを正しく守るインフルエンサーに依頼すれば、まず問題は起こらないでしょう。

• 視聴者に不快な思いをさせない
• ルール違反をしない

視聴者に不快な思いをさせない

見た人の怒りを買うような投稿をして炎上してしまった事例を見聞きしたことがある人も多いでしょう。それらの投稿の中には、いわゆる「悪い冗談」の類のものも多くあります。特定の視聴者の感情に寄り添おうとして羽目を外してしまい、他の人の怒りを買ってしまったのです。

そのような不快な投稿は、正しく制作すれば防ぐことができます。インフルエンサーの過去の投稿を見ればどのような投稿をする人なのかが分かりますので、炎上しやすいタイプの人を念のため避けるようにすると安心です。

ルール違反をしない

炎上の原因のもう一つは、ステマなどのルール違反です。具体的には、会社側がインフルエンサーに依頼した商品広告なのに純粋な消費者のように装って投稿したり、法律で禁止されている表現を使って商品を良く見せたりするものです。

故意かどうかにかかわらず、結果として生活者を騙すような投稿をして炎上した事例は多いです。しかし、法律を正しく理解して投稿すれば、このような問題は起こりません。特に今後はステマなどのルール違反に対する規制が厳しくなり、違反した場合には、インフルエンサーではなく投稿を依頼した企業側が罰せられるようになります。これはインフルエンサーマーケティングだけでなく、SNS広告やWeb広告でも同じです。今後は、会社側が正しい知識を身につけ、誠実に投稿することがこれまで以上に大切になるでしょう。

インフルエンサーは信用できる？

インフルエンサーマーケティングは、個人であるインフルエンサーとの協働による施策です。しかし、案件の途中でインフルエンサーと連絡が取れなくなったり、約束通りに投稿してもらえなかったりする事例もないわけではありません。

そのようなトラブルを防ぐ方法は、2つあります。

• 契約書を交わす
• キャスティング会社を利用する

契約書を交わす

インフルエンサーは個人運営の人が多いため、企業側も気軽に依頼しているケースが多いのではないでしょうか。しかし、トラブルなく投稿してもらうためには、契約書を交わすのも一つの方法です。

1回の施策のために契約書を交わすのは手間かもしれませんが、安全に施策を実行するために、ぜひ検討してみてください。

キャスティング会社を利用する

インフルエンサーとのトラブルを防ぐには、キャスティング会社を利用するのもおすすめです。キャスティング会社にも色々なタイプがあり、インフルエンサーの検索ややり取りをするためのツールを提供している会社もあれば、担当者がついてキャスティングから投稿、分析までをフルサポートする会社もあります。

前者の場合は、基本的に自社でインフルエンサーと連絡を取り合う必要がありますが、その前に他社との案件でどうだったかといった評判を見ることもできるので、安心して依頼することができます。後者なら会社に任せておけるので、より不安なく実施できるでしょう。

インフルエンサーの起用に失敗しないための課題と対策まとめ

この記事では、インフルエンサーマーケティングにおける懸念事項と、その対処法を紹介しました。インフルエンサーマーケティングに対して何かしらの不安を覚えている人も多いかもしれませんが、正しく運用すれば問題が起こることはありません。そのためには、インフルエンサー側に全てを任せるのではなく、企業側も法律を理解し、業界のことを知ったうえで依頼することが重要です。

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