【担当者必見】Instagram運用におけるKPI・KGIの設定指標と作成方法を徹底解説

企業のInstagram運用担当者の方で、「なんとなく運用していて成果が分からない」「目標設定の方法が分からない」といった悩みを抱えている方も多いのではないでしょうか。本記事では、Instagram運用において成果を出すために不可欠なKGIとKPIについて、その意味から設定方法、見るべき指標、効果測定、そして改善方法までを詳しく解説します。
目次
なぜインスタ運用でKGI・KPIの目標設定が必要なのか?
Instagramのアカウント運用においてKGI(重要目標達成指標)とKPI(重要業績評価指標)を設定することは、ただやみくもに運用するのではなく、明確な目的を持って戦略的に進めるために非常に重要です。目標設定を行う理由には、以下のような3つの目的があります。

(1)運用の成果がでているかの判断を行うため
KPIを設定しないと、運用がうまくいっているのかどうかの判断が難しくなります。指標がないので、運用業務において改善点を見つけることも難しく、効果的な施策を講じることができません。
(2)かけた時間やコストに見合う効果の把握のため
企業のマーケティング活動としてInstagramを運用する場合、かけた費用や時間に見合う効果が出ているか、費用対効果を上司や組織内で説明することは当然必要です。
KGIとKPIを設定することで、運用が最終的なビジネス成果にどれだけ貢献しているかを数値で把握できます。
(3)組織内にノウハウの蓄積させるため
目標(KPI)を設定し、それに向かって運用することで、何が成功し、何が失敗したのかを社内で共有できるようです。この情報が貴重な会社の財産となり、今後のInstagram運用をより意味のあるものにするためのノウハウ蓄積につながります。
KGIとKPIの基本を理解し、自社の運用目標を考えよう
Instagram運用に限らず、ビジネスにおいては「何を目標として」、「何を成果とするのか」を明確にすることが大切です。そして、これらの目標を数値として表すことが重要です。
KGIとは?最終的な「ゴール」を数値で決める指標
KGIは「Key Goal Indicator」の略称で、「重要目標達成指標」と呼ばれます。これは、Instagram運用やマーケティング活動を通して達成したい最終的なゴールの目標値を指します。KGIは最終的な目標の達成結果を計測するために必要であり、具体的に数値を定めることが重要です。
Instagram運用におけるKGIとしては、認知度の拡大、売上や利益の向上、見込み顧客の獲得、店舗集客の増加などが該当します。
KGIを設定することで目標が明確となり、達成するために必要な具体的な計画が立てやすくなります。自社の事業戦略や課題、フェーズに合わせてKGIを決定することが重要です。
KPIとは?KGI達成までの「中間目標」を測る指標
KPIは「Key Performance Indicators」の略称で、「重要業績評価指標」と呼ばれます。これは、目標達成の進捗状況を定量的に評価・分析するために用いられる指標です。
KGIを達成するために必要な工程を確認し、各行程ごとに具体的に目標数値を指標として設定します。どうすれば目標達成できるか、あるいはなぜ達成できなかったのかを分析する際にKPIを使用します。
KPIは状況に応じて複数設定することが可能であり、また適当でない場合には柔軟に修正していくことも重要です。
インスタ運用でよく設定されるKPI指標
Instagram運用で設定できるKPI指標はいくつかあります。Instagramビジネスアカウントで利用できる「インサイト」機能で確認が可能な指標が多く含まれます。ここでは、企業のInstagram運用において特に注目すべきKPI指標をKGIとの関連性の観点から分類して紹介します。

アカウントの成長や注目度を測る指標
これらの指標は、自社アカウントがユーザーにどの程度認知され、関心を持たれているかを示します。
- フォロワー数
フォロワー数は、自身のアカウントをフォローしているユーザーの数のことです。Instagramのプロフィール画面に表示される分かりやすい指標であり、数が多いほど人気アカウントであるという印象を与えられます。フォロワー分析画面では、フォロワー数の増減や年代、性別などのデータも確認できます。自社ファン数の大まかな把握が可能です。 - プロフィールへのアクセス数
プロフィールへのアクセス数とは、投稿などからプロフィール画面に訪れたユーザーの数のことです。プロフィールを確認するユーザーはアカウントに高い興味関心を持っていると言え、この数が多いほど価値の高いアカウントと言えます。プロフィールアクセスが多いのにフォローにつながらない場合は、プロフィール内容の見直しが必要かもしれません。
投稿の表示回数やリーチしたユーザー数を測る指標
これらの指標は、コンテンツがどれだけ多くのユーザーに届いているかを示します。ブランド認知度向上などをKGIとする場合に重要な指標となります。
- インプレッション数
インプレッション数とは、自身が投稿したコンテンツが他のユーザーに表示された合計回数のことです。1人のユーザーが同じ投稿を複数回見た場合、その回数分だけカウントされます。発見タブやホームなど、どこからの表示が多いかを確認することで、フォロワー外へのリーチやフォロワーとの親密度を測ることができます。 - リーチ数
リーチ数とは、自身が投稿したコンテンツを実際に見たユーザーのユニーク数のことです。インプレッション数とは異なり、1人のユーザーが同じ投稿を何回見てもリーチ数は1とカウントされます。実際に何人のユーザーに投稿が見られたかを正確に把握できます。
ユーザーの関心度やエンゲージメントを測る指標
これらの指標は、ユーザーがコンテンツに対してどれだけ積極的に反応しているかを示します。ファンやコミュニティ拡大などをKGIとする場合に重要な指標となります。
- エンゲージメント数
エンゲージメント数とは、投稿に対するユーザーの「いいね」やコメント、保存といったアクションの合計数のことです。ユーザーの興味や関心の高さ、熱量を分かりやすく計測できる指標です。エンゲージメント数が多くなるほど、運営側から良質なアカウントと判断され、拡散しやすくなります。KGIの達成につながる可能性が高まります。 - 保存数
保存数とは、自身が投稿したコンテンツが保存された回数のことです。保存するユーザーは投稿を「あとで見返したい」と考えている熱量の高いユーザーであり、保存数が多いほど有益なアカウントである証明となります。特に企業の商品紹介やPR投稿においては重要な指標です。 - エンゲージメント率
エンゲージメント率は、エンゲージメント数をリーチ数やフォロワー数で割った数値のことです。投稿内容がユーザーにどれだけ反応されたかを示す指標であり、エンゲージメント率が高いアカウントは、投稿にポジティブな反応をするフォロワーが多く、人気度やフォロワーの熱量を測ることができます。
ビジネス成果に直結する可能性のある指標
これらの指標は、Instagram運用が直接的なビジネス成果(例: 売上、問い合わせ)にどれだけつながっているかを示します。売上向上などをKGIとする場合に特に重要な指標となります。
- リンクへのクリック数
リンクへのクリック数とは、プロフィール画面に設置しているURLのクリック数のことです。ECサイトやランディングページのリンクを掲載しているアカウントにとっては、売上に直結するため非常に重要なKPIと言えます。より多くの人にタップしてもらうための工夫(配置など)が必要になる場合があります。 - ハッシュタグ投稿数
ユーザーが自社製品やサービス名をハッシュタグにして投稿してくれる数(口コミ数)も重要な指標です。SNSユーザーは商品購買前にハッシュタグで口コミを検索することが多いため、ポジティブなハッシュタグ投稿が増えることは購買の後押しにつながります。ハッシュタグ経由でのインプレッション数も多いため、関連性の高いハッシュタグを推奨しつつ、その投稿数を確認することは、ユーザーの興味関心や拡散状況を測るのに役立ちます。
【KGIのパターン別】インスタ運用KPI設定例
KGIが異なれば、それを達成するために設定すべきKPIも変わってきます。ここでは、いくつかのKGIパターンに応じたKPI設定の具体例を紹介します。自社の状況に合わせて最適な設定を見つけるための参考にしてください。
例1:ブランドの認知度を高めたい場合
「ブランド認知向上」をKGIとする場合、より多くのユーザーにコンテンツを見てもらうことが重要です。KPIとしてはリーチ数やインプレッション数を設定することが考えられます。Instagram運用においてイメージしやすい指標であり、初めての運用でも設定しやすい内容です。
また、フォロワー数やプロフィールへのアクセス数も、ブランドへの関心度や潜在的な認知度を示す指標として検討できます。設定した期間内にどれだけのリーチ数やインプレッション数を獲得するかを目標値として設定し、その達成割合をKGIの達成率と捉えることも可能です。
例2:ファンを増やしたい、コミュニティを大きくしたい場合
Instagram内でファンを増やしたい、独自のコミュニティを拡大することをKGIとする場合、ユーザーの関心や熱量を測る指標が重要です。KPIとしては、ユーザーのエンゲージメント数や保存数を利用してコミュニティの熱量を測る方法があります。
エンゲージメント率(エンゲージメント数 ÷ リーチ数など)を確認することで、投稿内容がユーザーにどれだけ反応されたかをチェックできます。エンゲージメント率はユーザーの興味関心の高さを示すため、この指標を追うことで、どんな配信内容がユーザーに響くかのデータが蓄積され、長期的な運用資産となります。
例3:売上や問い合わせにつなげたい場合
売上目標などをKGIとする場合、ビジネス成果に直結する指標をKPIに設定することが効果的です。リンクへのクリック数は、プロフィールや投稿から自社サイト(ECサイト、LPなど)への遷移数を示すため、売上への貢献度を測る上で非常に重要なKPIと言えます。
リンククリックと関連性のある指標をKPIとして設定することも有効です。例えば、インプレッション数を同時にカウントすることで、リンククリック数との相関性を確認し、「次なる施策」を検討しやすくなるでしょう。また、ハッシュタグ投稿数(口コミ数)は、購買の後押しやユーザーの興味関心を示すため、売上につながる可能性のある指標です。さらには、コンバージョン率(CVR)など、ECサイトのKPIと同様の指標もInstagramからの売上貢献度を測る上で重要です。
事業のフェーズが変わったらKPIも見直すべき?
一度設定したKPIも、事業のフェーズやInstagramアカウントの成長度合いによって、運用目的やKPIを柔軟に変えていくことは非常に重要です。
例えば、ブランドの認知度が低い初期フェーズでは「リーチ数」「インプレッション数」などの認知獲得に関するKPIが中心になるかもしれません。フォロワーが増えてきたら、次に「エンゲージメント数」「保存数」といったフォロワーとの関係構築や熱量向上を測るKPIに軸足を移すことが考えられます。最終的に売上向上を目指すフェーズでは、「リンククリック数」「コンバージョン率」などが重要なKPIとなります。
一度設定したKPIを絶対に変更しないという考え方では、運用状況の変化に対応できません。設定した目標が高すぎると感じたり、事業の方向性が変わったりした場合には、状況に応じてKPIの再設定を行いましょう。再設定を検討する際には、「時期・タイミング」「程度」「対策」などを決めておくとスムーズに進められます。
【効果的なインスタ運用】KPI設定のステップと手法
InstagramのKPIは、以下のステップで設定できます。
設定の基本3ステップ

- KGIを設定する
まずは最終目標であるKGIを明確に設定します。
例えば「前年度よりも売り上げを10%増加させる」のように、なるべく具体的に、数値目標として設定することが大切です。Instagram運用の目的から逆算して考えましょう。 - KGIと関連する項目を抽出する
設定したKGIに関連するKPIの候補となる指標を洗い出します。
例えば「売り上げ10%増加」がKGIであれば、インプレッション数、リンクへのクリック数、エンゲージメント数などがKPIの候補として考えられます。 - 抽出した項目からKPIを選ぶ
抽出した候補の中から、最終的にKPIとして設定する指標を選びます。抽出した全てをKPIにすることも可能ですが、管理が大変になるため、自分たちの状況に合わせて選ぶのがおすすめです。KGI同様、KPIも「インプレッション数:1ヵ月で10万インプレッション」のように具体的な数値で設定しましょう。可視化
マーケティングファネルを意識してKPIを設定する
効果的なマーケティング施策を立案し、その成果を正しく測るためには、「マーケティングファネル」という考え方に基づいたKPI設定が不可欠です。

マーケティングファネルとは、消費者が商品を認知してから購入に至るまでの行動プロセスを、「認知」「興味関心」「比較検討」「購入」(購入後の「継続」「紹介」「発信」)といった段階に分けてモデル化したものです。このフレームワークを理解することで、各施策がどの段階の顧客にアプローチしているのかが明確になり、戦略的なアクションに繋げやすくなります。
この考え方で、Instagram運用におけるKPI設定にも応用できます。例えば、各ファネルを以下のように対応させ、それぞれの目標数値を設定します。
- 認知:リーチ数
- 興味関心:エンゲージメント数
- 比較検討:購入ページ流入数
- 購入:CV数
- 継続:LTV、リピート数
- 紹介:UGC数、紹介者数
- 発信:UGC数、エンゲージメント数
これはあくまで一例であり、ブランドの目的によって「認知」をインプレッション数で測るなど、最適な指標は異なります。
このようにファネルごとにKPIを設定する最大のメリットは、最終的な収益向上というゴールへの道筋が明確になるだけでなく、Instgram運用のプロセスのどこに課題があるのかを特定しやすくなる点です。「CV数が伸びず運用がうまくいっているか分からない」「リーチ数は多いのにフォローに繋がらない」「エンゲージメントは高いがサイトへの誘導ができていない」といった具体的な課題が見えれば、的確な改善策を講じることが可能になります。
現実的な目標値の決め方(現状分析、競合比較など)
KPIの具体的な数値目標は、現実的で達成可能なものに設定することが重要です。会社の現状を無視した高すぎる目標は、運用担当者のモチベーション低下につながる可能性があります。
目標値を決める一つの方法として、自社アカウントの現状分析を行うことが挙げられます。過去の運用データ(インサイトなど)を見て、現在のパフォーマンスを把握し、それに基づいた現実的な目標を設定します。
また、競合他社の数値と比較することも参考になります。競合数社をピックアップし、フォロワー数やエンゲージメント数などの平均値や中央値を算出することで、業界の標準ラインを把握し、自社の目標設定の参考にできます。競合がSNS運用をしていない場合は、近しい業界の数値を参考にしましょう。
自社の売上構造から逆算してKPIを計算する方法もあります。例えば、売上増加をKGIとする場合、売上に関わる要素(例: 来店数、顧客単価、問い合わせ率、購買率など)とSNS指標(例: インプレッション数、リンククリック数)の相関性を分析し、計算式を導いてKPIを設定することが可能です。
まずは予算をかけずに運用を開始し、一定期間後の実際の数値を見て目標値を設定する方法も現実的です。
インスタ運用のKPI設定時の注意点
KPI設定はInstagram運用を成功させるための重要なステップですが、いくつか注意すべき点があります。

フォロワー数だけをKPIにしても本当に成果が出る?
多くのInstagram運用においてフォロワー数は注目されやすい指標ですが、フォロワー数だけをKPIに設定することはあまりおすすめできません。フォロワー数をKPIにした場合の問題点について説明をします。

SNS運用において、フォロワー数をKPIに設定することは一般的ですが、その指標だけを追い求めることには多くの課題が潜んでいます。
まず、フォロワー数が増えることが、必ずしも売上やビジネスの成果に直結するとは限りません。フォロワー数を最優先するあまり、本来のターゲット顧客ではないユーザーを無差別に集めてしまう「質より量」の思考に陥りやすくなります。その結果、フォロワーの購入や不正な増加といった手段に依存するリスクも生じます。
また、フォロワーの質が伴わない場合、エンゲージメント率の低下は避けられません。一時的なキャンペーンやプレゼント企画でフォロワーを増やしても、ブランドに真の興味を持っていないユーザーが多ければ、継続的な関係構築は難しくなります。
さらに、Instagramなどのプラットフォームは頻繁にアルゴリズムの変更を行うため、フォロワー数が多くても投稿のリーチが大幅に減少する可能性も常にあります。短期的な数字だけを追い求めることは、ブランドの本質的な価値を見失い、長期的な成長を妨げる危険性をはらんでいるのです。
これらの理由から、単にフォロワー数を追うのではなく、アカウントリーチ数や、ユーザーの興味関心を示すエンゲージメント数、そして実際のビジネス成果につながるリンククリック数などをKPIに設定することが、より効果的な運用につながります。インプレッション数やエンゲージメント数が伸びていくと結果としてフォロワー数も増えることが多いですが、それはあくまで副次的な結果として捉えるべきでしょう。
設定したKPIはKGI達成にどうつながる?関連性を確認する
KPIを設定する際は、常にKGIとの関連性を意識することが大切です。KPIはあくまでKGIを達成するための中間目標であるため、設定したKPIが最終ゴールにどう貢献するのかを明確にしておく必要があります。
KPI設定時にSMARTの法則のRelated(関連性)の項目を活用したり、KPIツリーを作成してKGIとの関連性を視覚的に整理したりする手法が役立ちます。KGIとKPIにズレが生じていると、期待するような成果を上げることが難しくなります。定期的にKGIとの関連性を再確認し、必要に応じてKPIを修正しましょう。
現実的ではない「高すぎる目標」を設定しない
KPI設定において最も重要な注意点の一つは、達成可能な目標を設定することです。現実的ではない高すぎる目標を設定してしまうと、メンバーのモチベーションが低下したり、通常の業務以上の負担が運用にかかってしまったりする可能性があります。
特にInstagram運用を開始したばかりの場合やアカウントの認知度が低い場合は、いきなり高い目標を設定するのではなく、現状を分析して達成可能なレベルから始めることが大切です。目標を達成できた際に、段階的にハードルを上げていく方が、途中で挫折せずに運用を継続しやすくなります。
一度決めたら終わりじゃない!状況に応じてKPIを見直す
Instagramを含むSNSは頻繁にアップデートが行われ、ユーザーの使い方も常に変化しています。また、自社のアカウント状況や事業フェーズも時間とともに変化します。そのため、一度設定したKPIを固定的に捉えるのではなく、状況に応じて柔軟に見直し・再設定を行うことが重要です。
設定したKPIが運用していくうちに高すぎると感じたり、SNSの仕様やユーザーの使われ方にそぐわなくなったりした場合は、迷わず再設定を決断しましょう。適切なタイミングでKPIを見直すことが、効果的なInstagram運用につながります。KPIを見直す際には、目標とする時期、達成度合い、それに対する対策などを具体的に検討すると良いでしょう。場合によってはKGIを見直すことも大切です。
設定したKPIの効果測定方法
設定したKPIがどれだけ達成できているか、効果測定を行うことはInstagram運用のPDCAサイクルを回す上で不可欠です。Instagram運用における効果測定は、主に以下の方法で行います。
Instagram公式のインサイト機能を活用する
Instagramアカウントをビジネスアカウント(またはクリエイターアカウント)に切り替えると利用可能になるインサイト機能は、多くのKPI指標を確認するための公式分析ツールです。この機能を使うことで、アカウント全体のパフォーマンスや個別の投稿、リール動画などの効果を数値で把握できます。

インサイト機能で確認できるKPI指標には、フォロワー数、インプレッション数、リーチ数、エンゲージメント数(いいね、コメント、保存)、プロフィールへのアクセス数、リンクへのクリック数などがあります。
これらの指標を定期的に確認することで、KPIの進捗を把握できます。少なくとも月に1回、コンテンツ配信が多いアカウントでは週に1回程度確認するのが理想的です。
インサイトで確認する手順
ここからは、Instagramで効果測定をするための数字をインサイトで確認する方法を紹介していきます。効果測定に必要な数字は、以下の方法で取得できます。
・プロアカウントへの変更方法
インサイトは、Instagramのアプリに用意されている機能です。アカウントを「プロアカウント」に設定変更すると誰でも見られるようになるので、まだ設定変更していない人は今すぐ手続きをしましょう。
プロアカウントへの変更は、以下の方法で行えます。

プロフィール画面のハンバーガーメニュー(3本線のメニュー)をタップします。
「設定とアクティビティ」で下の方にスクロールし、「アカウントの種類とツール」をタップします。
「アカウントの種類とツール」で「プロアカウントに切り替える」をタップします。
画面に従って進みます。設定が完了すると、直ちにインサイトが見られるようになります。
続けて、インサイトの見方も確認しておきましょう。インサイトを見る方法は三つあります。
- プロフェッショナルダッシュボードで見る
- アカウント全体のインサイトを見る
- 投稿のインサイトを見る
プロフェッショナルダッシュボードでインサイトを見る
プロフェッショナルダッシュボードでは、1ヶ月分の結果のサマリーから、各投稿の詳細までを見ることができます。

プロフィール画面の「プロフェッショナルダッシュボード」をタップします。
詳細を見たい項目をタップすると、それぞれの詳しい結果が表示されます。
アカウント全体のインサイトを見る
アカウント全体のインサイトを詳しく知りたいときは、以下の方法で見ることができます。

プロフィール画面のハンバーガーメニュー(3本線のメニュー)をタップします。
「設定とアクティビティ」で「インサイト」をタップします。
左上のプルダウンメニュー「過去7日間」をタップします。
期間を選択します。画面上の「過去7日間」「過去14日間」などから選択するか、またはカレンダーをタップして期間を自由に選び、右上の「更新」をタップします。
投稿のインサイトを見る
投稿やリール動画ごとのインサイトは、以下の方法でも見られます。

インサイトを見たい投稿またはリール動画を開きます。
「インサイトを見る」をタップします。
詳細に分析したい場合は外部の分析ツールを活用する
Instagramインサイト機能は基本的な効果測定には十分ですが、例えば「保存率」や「プロフィールアクセス率」といった特定の割合を自動計算したい場合や、複数アカウントをまとめて管理・分析したい場合には、外部の分析ツールが役立ちます。
外部ツールを利用するメリットとしては、以下のような点が挙げられます。

- 詳細な指標の自動計算
インサイトでは手動で計算が必要な指標(例: 保存率)も自動で算出・表示してくれる場合があります。 - 効率的なレポート作成
必要なKPI指標だけをまとめたカスタマイズが可能なレポートを作成でき、効果測定の作業負担を軽減できます。 - 複数アカウントの一元管理
複数のInstagramアカウントや他のSNSアカウントを運用している場合に、まとめて管理・分析できます。 - 競合アカウントとの比較機能
競合アカウントの動向を分析できるツールもあります。
外部ツールを活用することで、より効率的かつ詳細な分析が可能になり、Instagram運用のPDCAサイクルをより効果的に回すことにつながります。無料トライアルが可能なツールもあるため、検討してみると良いでしょう。
【KPI別】インスタ運用の改善のヒント
KPIを設定し、効果測定を行った結果、目標値を達成できていない場合は、運用の改善が必要です。設定したKPIを改善するためには、主に以下の点を意識しましょう。
【ケース別】投稿内容の見直し
Instagram運用において最も重要なのは投稿の内容です。改善したいKPIに合わせて、投稿内容を見直す必要があります。設定しているKPIに対して投稿内容の見直すポイントも異なって来るので、解説していきます。
- KPIがリーチ数/インプレッション数の場合
より多くのユーザーの目に留まるような、トレンドを取り入れたり、発見タブに表示されやすいテーマのコンテンツを企画したりすることが有効です。視覚的に魅力的な写真や動画の質を高めることも重要です。 - KPIがエンゲージメント数の場合
ユーザーが「いいね」やコメント、保存をしたくなるような、共感を呼ぶ、役立つ、驚きのあるコンテンツを目指します。キャプションでユーザーに問いかけたり、コメントへの返信を積極的に行ったりして、ユーザーとのコミュニケーションを促進することも効果的です。 - KPIが保存数の場合
あとで見返したいと思えるような、情報性の高いコンテンツ(例: レシピ、ハウツー、まとめ記事、リストなど)を増やすことが効果的です。 - KPIがプロフィールへのアクセス数の場合
投稿を見たユーザーがアカウントに興味を持ち、さらに詳しい情報を見たいと思わせるような工夫が必要です。投稿のキャプションやリール動画内で、プロフィールへの誘導を促すのも一つの方法です。 - KPIがリンクへのクリック数の場合
プロフィールやストーリーズ、投稿など、リンクを設置できる場所を最適化し、ユーザーをサイトへ誘導するための強い動機付けをコンテンツ内で行います。
【改善のヒント】フォロワーとの親密度を高める
Instagramのアルゴリズムでは、フォロワーとの親密度が投稿のリーチに影響すると言われています。フォロワーのリーチ数を増やしたり、アカウント全体のエンゲージメントを高めたりするためには、フォロワーとの親密度を高める取り組みが必要です。「親密度」は抽象的な定義になるので、親密度を高める運用の頻度をKPIとして設定してみましょう。
- コメントへの返信やDM数をKPIに設定する
コメントに返信したり、DMでのやり取りを行ったりすることで、フォロワーとの関係性を深めます。ストーリーズの質問ボックスやアンケート機能を活用するのも効果的です。 - フォロワーのニーズに応えた投稿をKPIに設定する
フォロワーが喜ぶコンテンツを継続的に提供することで、ユーザー満足度を高め、エンゲージメントの向上を目指します。 - ライブ配信やQ&Aの実施をKPIに設定する
リアルタイムでの交流を通じて、フォロワーとの距離を縮めることができます。
KPIとして設定した目標値は、ユーザー評価を高めることで達成に近づきます。ユーザーにどう魅力を提供し、どう関わっていくかを考えながらアカウント運用することが重要です。
KPI設定でインスタ運用の成果を出す
Instagram運用で成果を出すためには、KGIとKPIの設定が不可欠です。KGIで最終的なゴールを明確にし、KPIでその達成に向けた中間目標を数値で設定することで、戦略的な運用が可能です。
- 目標を設定する理由は、「運用成果の可視化」「費用対効果の把握」「組織へのノウハウ蓄積」のため
- KPI設定は、KGIを達成するために必要な項目を抽出し具体的な数値目標とともに決定する
- マーケティングファネルを意識してKPIを設定する
- 設定するKPIは現実的で達成可能な目標を設定する
- 公式のインサイト機能や外部ツールを使って定期的に効果を測定する
- 目標未達成の場合は投稿内容の見直しなど施策を通じて改善に取り組む
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