SNSマーケティングの市場は年々拡大していますが、その中の一つであるインフルエンサーマーケティングの市場も大きな伸びが予測されています。
株式会社デジタルインファクトの調査によれば、インフルエンサーマーケティングの規模は2028年には1,000億円近くにも上ると考えられているのです。
今後、インフルエンサーを起用したマーケティングが企業にとって重要なものとなっていく中、気になるのが「インフルエンサーマーケティングの課題」ではないでしょうか。
インフルエンサーマーケティングが必要不可欠ともいえるSNS時代だからこそ、今ある課題にしっかりと向き合い、有効な対策を講じる必要があります。
この記事では、インフルエンサーマーケティングの課題やその解決策について詳しく解説します。
目次
インフルエンサーマーケティングは「広告らしくない」ことが強み
インフルエンサーマーケティングはその名の通り、企業のマーケティング活動の一つであり、認知拡大・ブランディング・売上アップなどを目的とした「広告・宣伝」です。
しかし、「インフルエンサー」を通すことで、ユーザーの受け取り方は大きく変わります。
広告はクリック数・閲覧数・購入数などのデータを収集しやすく、効果測定が行いやすい一方、ユーザーに不快感を与えるリスクもあるものです。
ポップアップなど過剰なアピールをすれば広告をブロックされてしまうほか、商品・サービス・ブランドへのイメージ低下にもつながる可能性があります。
インフルエンサーの場合、同じ商品・サービスのPRでも、紹介するのは企業ではなく「ユーザーが信頼を寄せるインフルエンサー」です。インフルエンサーが通常投稿と同じようにPR投稿をアップすることで、広告らしさのないアピールができます。
また、インフルエンサーと趣味嗜好、興味関心が似ているフォロワーが多いため狙ったターゲットにアプローチしやすいこともメリットです。
インフルエンサーマーケティングの5つの課題と解決策
一昔前であれば、インフルエンサーと呼ばれるのは著名人など限られた人物を指すことがほとんどでした。
しかし、SNSが普及し、誰もが簡単に情報発信・コミュニケーションができる現代では、個人でも圧倒的な影響力・拡散力力を持つようになり、一般人のインフルエンサーが増加。インフルエンサーマーケティングの注目は年々高まっています。
その一方で、現在の日本ではインフルエンサーマーケティングの課題が山積みであるとも言われています。
インフルエンサーの定義づけが曖昧であること、ステルスマーケティングによる炎上、効果検証がしっかりと行えていない、費用対効果が悪いなど、いくつか課題が挙げられます。
インフルエンサーマーケティングを成功させるためにはこれらの課題を知り、それぞれ適切な対策を行うことが求められます。ここから詳しく解説していきます。
インフルエンサーの選定
インフルエンサーマーケティングの中でも、最も大きな課題であると言われているのが、最適なインフルエンサーの選定です。
サイバーエージェントが国内広告主企業のマーケター115人を対象に行った「国内企業のマーケティングにおけるインフルエンサーの活用状況」の調査によれば、インフルエンサーマーケティングの課題として最も多かったのが「最適なインフルエンサーの選び方がわからない」で42%、次いで「効果がわかりづらい」38%、「効果計測ができない」23%という結果になりました。
インフルエンサーを選ぶとき、単にフォロワーの多さだけで選ぶことはできません。
エンゲージメント率(いいね・コメント・シェア・保存数などユーザーのリアクション)、リーチ数、フォロワーの男女比や趣味嗜好など、様々なポイントを分析して、「自社のターゲットとなるユーザーを多く含むインフルエンサー」を見つけることが重要です。
インフルエンサーの選定で誤ってしまうと、「リーチしているのに思ったような効果が得られない」「拡散しているのに販売数が増加しない」など、望んでいたほどの効果を得られないという結果になってしまいます。
効果測定
インフルエンサーマーケティングの課題としては「効果測定」も頻繁に挙げられるものの一つです。効果測定は施策の効果を測り、改善点や問題点を洗い出すほか、費用対効果を見定めるという役割もあります。
効果測定のためには、目的に合わせたKPIの設定が必要です。そしてその後、KPIの達成度をチェックすることで効果を測定します。
WebマーケティングのKPIとしては「CVR(コンバージョン率)」がよく使われますが、インフルエンサーマーケティングの場合は目的によってKPIの種類は大きく変わることが特徴です。
- 「認知獲得」を目的とした場合…リーチ数、インプレッション数、シェア数など
- 「見込み客の増加」を目的とした場合…保存数や「後で見る」、UGC獲得数、コメント数、自社サイトクリック数など
- 「購買」を目的とした場合…連携サイトへのアクセス数、購入数や利益など
自社に合ったKPIを設定し、投稿やアカウントを分析して効果測定を行いましょう。Instagramであれば「Instagramインサイト」や分析ツールなどを活用することで詳しく調べることができます。
下記の記事ではInstagram運用を効率的に行うためのKPI設定方法、さらにPDCAの回し方について詳しく解説しています。よろしければこちらもチェックしてみてください。
Instagram運用を効率的に!KPI設定方法・PDCAの回し方を詳しく解説
インフルエンサーらしさとPRの調和
インフルエンサーマーケティングでは、インフルエンサーの持つ独創性が重要です。
具体的にPRしたい視点があるからといって企業が1から10まですべて細かく指示出しをしてしまうと、「広告っぽい」コンテンツになってしまい、フォロワーの反応が悪くなってしまう可能性があります。最悪の場合、印象が悪くなってしまうリスクも考えられるでしょう。
これでは、インフルエンサーにとっても企業にとっても、デメリットしかありません。
炎上などを防ぐためにもインフルエンサー側の投稿内容のチェックは欠かせませんが、インフルエンサーの意見や考えを尊重し、「インフルエンサーらしさと商品・サービスPRが調和した投稿」を行うことが大切です。
ステルスマーケティング
インフルエンサーの投稿にフォロワーが共感し、さらにそのフォロワーに共感が伝わり…と、連鎖的に共感や興味関心が拡散していくのがこれまでのマーケティングにはなかったインフルエンサーマーケティングの強みです。
しかし、これが悪い方向に作用すれば「炎上」となり、企業の印象や信頼を大きく失墜させてしまうリスクがあります。
インフルエンサーマーケティングで炎上の原因となるのがステルスマーケティング(ステマ)です。
ステルスマーケティングは意図的な指示が原因となったもののほかにも、コミュニケーション不足による事故などその内容は様々ですが、インフルエンサーマーケティングを行う上では絶対に防がなければなりません。
近年では投稿するコンテンツに「#〇〇PR」などのハッシュタグを付け、PRのための投稿であることをユーザーに明確に伝えるケースが多く見られます。
インフルエンサーの信頼性や情報共有
アメリカや中国などではインフルエンサーは事務所に所属しており、インフルエンサーマーケティングを行う場合はタレントを起用するのと同じように、事務所を通して契約することがほとんどです。
そのため、インフルエンサーの信頼性もある程度確保され、情報共有もしやすいというメリットがあります。
インフルエンサーを選ぶ際は、その人が信頼できる人物か、プロ意識やモラルはあるかなどについてもチェックしなければなりません。
過去には、商品PRを依頼したインフルエンサーが不祥事を起こしたことによって企業が大きな損失を被ることになってしまったケースも存在します。
明確なガイドラインを決めてインフルエンサーに伝える、契約書に記載するなどして安全性を高めることが重要です。
MATCH ENCERがインフルエンサーマーケティングの課題を解決
AIQでは、インフルエンサーマーケティングが抱えるいくつもの課題を解決可能な「MATCH ENCER(マッチエンサー)」を提供しております。
インフルエンサー選定は単にフォロワー数だけではなく、複数の項目を評価した上で行わなければなりません。MATCH ENCERでは特許取得のプロファイリングAIがSNS全体を分析し、「ターゲット含有率の高く、拡散力のあるインフルエンサー」を見つけ出します。
また、オファーから投稿まですべて管理するため、ノウハウのない駆け出しのインフルエンサーの場合でも安心です。
効果検証までお任せいただけることもMATCH ENCERの大きな強みの一つ。データを次の施策に活かすなど、インフルエンサーマーケティングだけではなくその後のアカウント運用にも活かすことが可能です。
まとめ
インフルエンサーマーケティングは課題もあるものの、市場は今後大きく拡大していくことが予想されています。
ユーザーの消費行動・検索行動がGoogleやYahoo!などの検索エンジンによる検索から、InstagramやTwitterなどのSNS検索による情報収集へと変化したこともあり、インフルエンサーマーケティングはこれからのSNS時代に欠かすことができない施策となっていくでしょう。
効果的な活用のためにも、しっかりと課題を解決しながらインフルエンサーマーケティングを行っていくことが大切です。