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Z世代に響く!最新SNSマーケティングの戦略と実践ガイド

Z世代に響く!最新SNSマーケティングの戦略と実践ガイド

Z世代とは、1990年代後半から2010年代前半に生まれた世代のことを指します。日本では年齢が厳密には定義されておらず、さまざまな解釈がありますが、2024年現在の年齢でおおむね12歳から27歳にあたる世代が、広くZ世代と呼ばれています。

デジタルネイティブとして育ったこの世代は、幼少期からスマートフォンやインターネットが身近にある環境で育ってきました。自分でスマートフォンを持つ年齢になった現在、生活の一部としてSNSを日常的に活用しています。

Z世代に向けたマーケティング施策を成功させるためには、この世代の特徴を正確に理解し、関心を引きつける戦略を立てることが重要です。この記事では、Z世代の特徴とSNSの利用動向に基づいたSNSマーケティングのポイントについて解説します

Z世代のSNS利用動向と最新トレンド

まずは、Z世代がどのようなSNSを使っているのか、その動向を整理しておきましょう。総務省が公開している調査結果をもとに、具体的な利用状況を解説します。

Z世代に響く!最新SNSマーケティングの戦略と実践ガイド総務省 令和5年度情報通信メディアの利用時間と情報行動に関する調査報告書<概要>より

Instagram

Instagramは、Z世代の70%以上が利用しているSNSです。この世代は、友人とのコミュニケーションやリールの視聴、情報検索など、Instagramを多岐にわたって活用しています。

友人とのコミュニケーション

Z世代は、友人とのコミュニケーションにInstagramを積極的に利用しており、新しく知り合った人と最初に交換するのがInstagramのことも少なくありません。

写真や動画を投稿し、それに対する「いいね!」やコメントで交流を深めるのはもちろん、ストーリーズを使って日常のちょっとした出来事をシェアすることも一般的です。また、「鍵アカ」(非公開アカウント)に設定し、特定の友人とのやりとりに限定してInstagramを楽しむ人も多く見られます。

リールの視聴

Z世代は、通勤や通学の移動中やちょっとした隙間時間に、特に目的を持たずにリールを眺めることがよくあります。一人ひとりの興味関心に基づいた最大90秒のショート動画が次々と表示されるため、つい引き込まれて長時間視聴してしまうことも少なくありません。

近年のマーケティングでは、消費者が自ら時間をかけて情報を探すよりも、企業側がユーザーの好みに合ったコンテンツを提供する手法が主流となりつつあります。リールもその中の一つであり、ユーザーの興味に基づいて表示されるショート動画が、Z世代を含む多くの人々に支持されています。

情報検索

Z世代は、飲食店やファッションなどの情報を検索する際に、従来のWeb検索よりもInstagramを利用することが多いです。たとえば、飲食店の検索では、インスタグラムで『#渋谷カフェ』といったハッシュタグを使用して料理や店内の写真、投稿者のレビューを確認し、訪れる店舗を決めることが一般的です。総務省の調査によれば、Z世代のSNS利用率は年々増加しており、特に20代前半の利用者の80%以上がSNSを日常的な情報源として活用しています(出典:総務省 令和5年度情報通信メディア利用状況調査)。

TikTokでもリールと同じようにショート動画で情報収集ができますが、Instagramにはフィード投稿とリールの両方があるという特徴があります。フィード投稿では、写真やテキストを使って整理された情報が提供されており、リールでは実際の利用シーンを視覚的にわかりやすく伝える動画が投稿されています。

TikTok

TikTokも、Z世代に広く利用されているSNSです。特に10代の利用者が多く、その利用率は70%を超えています。TikTokの人気は非常に高く、その影響でInstagramのリールやYouTubeショートなどのショート動画機能が登場しました。

Z世代は、TikTokを以下のように活用しています。

エンターテインメント動画の視聴

TikTokは、ダンス動画の人気をきっかけに、瞬く間にZ世代に広まりました。現在も多くの楽しい映像が日々投稿されており、Z世代はこれらを日常的に視聴して楽しんでいます。

隙間時間に気軽にアプリを開くと、目を引くショート動画が次々に表示されるため、Instagramのリールと同様に、気づけば長時間眺めていた、ということがよくあります。

情報発信と自己表現

TikTokは、Z世代の自己表現の場として広く活用されています。多くのZ世代が、スマートフォンで撮影・編集した動画を気軽に投稿し、それを通じてフォロワーとのコミュニケーションを楽しんでいます。

TikTokで発信されているコンテンツには、ダンスや日常の面白い動画のほか、メイクやファッション、料理など、自分の得意なことを映像化したものも多く見られます。ついつい繰り返し見たくなるような動画が次々に投稿され、多くの視聴者を引きつけています。

楽しく効率的な情報収集

Z世代は、TikTokを新しい商品やブランドを発見するための効率的な情報収集ツールとして活用しています。TikTokのアルゴリズムは、ユーザーの興味や検索履歴に基づいて関連性の高いコンテンツを優先的に表示するため、視覚的に魅力的で、関心を引く動画が多く見つかります。

例えば「Tシャツ」と検索すると、「この夏おすすめのTシャツ8選」や「おしゃれなTシャツの着こなし」といった動画が数多く表示されます。これらの動画はどれも引き込まれる内容で、エンターテインメント性も高いため、楽しみながら情報を収集できます。

Instagramのリールでも情報収集は可能ですが、TikTokと比較すると、リールの方がよりライフスタイルや実用的な内容になっていることが多く、一方でTikTokは、エンターテインメント性が強く、ユーザーを楽しませながら情報を提供する動画が多いという点で異なります。

YouTube

YouTubeも、Z世代に広く利用されている動画プラットフォームです。以下のように活用されています。

エンターテインメント動画の視聴

YouTubeは、Z世代にとってエンターテインメント動画の最大のプラットフォームです。多くのZ世代は、通勤通学の電車内や空いた時間などに興味あるコンテンツを視聴しています。Vlogやチャレンジ動画、ゲーム実況などは広く好まれています。

学習コンテンツの利用

Z世代は、YouTubeを学習ツールとしても活用しています。勉強や、スポーツの技術習得、ライフハックなどの動画が人気です。

YouTubeやインフルエンサーの動画視聴

Z世代は、YouTubeやインフルエンサーの動画を信頼できる情報源として活用しています。YouTubeはZ世代の購買行動に大きな影響を与えているため、企業は積極的にYouTubeを活用したマーケティングに取り組んでいます。

BeReal

BeRealは、Z世代の間で急速に人気を集めているSNSアプリです

その最大の特徴は、通知が届いたら2分以内に投稿する仕組みであることから、映像を加工せず、自撮りをしてそのままシェアするということにあります。InstagramやTikTokとは異なり、自然体での交流を行えるという点が支持されています。

X(旧Twitter)

Xは、10代の利用率が約66%、20代は約82%と、InstagramやTikTokと比べるとZ世代の利用率がやや低い傾向にあります。

Xはテキストコミュニケーションを中心としたSNSのため、ニュースやトレンドをリアルタイムで取得し、それにコメントを発信するという使い方が多く見られます。また、Z世代では、「裏アカ」を作って匿名で意見表明をすることも頻繁に行われています。

Facebook

Facebookは、Z世代の利用率が低く、特に10代では約10%しか利用されていません。

Z世代より1世代上のミレニアル世代以上では、Facebookがビジネスのコミュニケーションツールとして広く活用されています。しかし、Z世代はビジネスのネットワーキングや情報収集において、LinkedInやXをより頻繁に利用しています。

SNSマーケティングの参考事例を解説:複数SNSの使い分けのポイント

Z世代のこうした行動を基に、企業はさまざまな取り組みを行っています。

たとえば、コーヒーチェーンがInstagramでハッシュタグキャンペーンを実施し、新商品のプロモーションを行ったり、スポーツブランドがZ世代に向けてスポーツファッションやライフスタイルの投稿を促し、スポーツコミュニティを形成するなど、SNSを活用してZ世代を取り込む施策は数多く実施されています。

Z世代に響くSNSマーケティングのポイント

Z世代向けのマーケティングでは、パーソナライズされた情報提供や共感を呼ぶコンテンツ、社会的責任の強調が重要です。ここでは、Z世代に効果的なSNSマーケティングのポイントを紹介します。

パーソナライズされた情報提供

Z世代は、自分に合った情報やコンテンツを受け取ることを強く好む傾向があります。例えば、Instagramはこのトレンドに対応し、ユーザーの興味や関心に基づいて投稿やリールを優先的に表示するアルゴリズムに変更しました。また、音楽ストリーミングサービスでも、ユーザーの聴取履歴を解析し、好みに合ったプレイリストを提供するパーソナライズドなレコメンド機能が支持されています。

今後のZ世代をターゲットとしたマーケティング戦略では、このようにデータに基づいたアプローチが成功の鍵を握ると考えられます。Z世代の購買意欲を引き出すためには、従来のように企業側が売りたい商品を一方的にPRするのではなく、消費者が潜在的に求めているニーズを的確に把握し、それに応じた商品やサービスをタイムリーに提案することが重要です。

共感を呼ぶコンテンツ

Z世代に対するマーケティングでは、共感を呼ぶコンテンツが効果的だといわれています。Z世代は自分の価値観やライフスタイルに合ったものに共感しやすく、企業が作る広告よりも、友人や知人からの口コミやSNSでの紹介に強い影響を受ける傾向があります。

インフルエンサーマーケティングやUGCが効果的なのも、親しみやすい存在の人が紹介する情報を信頼できると感じるからです。特に、個人の体験に基づいたリアルなコンテンツは、Z世代の購買意欲を高める力があります。

社会課題への取り組みを発信

Z世代は、社会的な価値や持続可能性への取り組みを重視する傾向があります。学校でSDGsなどの教育を受けて育った世代のため、就職活動においても、企業の社会的な取り組みやサステナビリティに対する姿勢を判断材料の一つにすることもあります。

そのため、Z世代向けのマーケティングでは、環境問題や社会的課題に企業として積極的に取り組んでいることをアピールするのも有効な戦略となるでしょう。企業のサステナブルな取り組みを明確に示すことで、Z世代からの支持を得ることが期待できます。

SNSマーケティング|若い世代・Z世代向けに活用すべき理由を解説

Z世代の特徴と消費行動

Z世代は、デジタルネイティブ世代として知られています。効果的なマーケティング戦略を構築するためには、彼らがどのような価値観を持ち、どういった消費行動を取るのかを把握しておくことが重要です。

モバイルファーストの生活スタイル

Z世代は、日常的にスマートフォンを使いこなし、生活のほぼすべての場面で利用しています。友人とのコミュニケーションだけでなく、情報収集、エンターテイメント、ショッピングなど、すべてがスマートフォンで行われるのが一般的です。

そのため、多くの企業やブランドが、SNSを活用したプロモーションやモバイル向けコンテンツの強化を図っています。

多様性とインクルージョンへの関心

Z世代は、多様性やインクルージョン(社会的包摂)に強い関心を持っています。企業がこれらの価値観を理解し、対応する姿勢を示すことで、Z世代の共感や信頼を得ることができます。

まとめ

Z世代はデジタルネイティブであり、SNSを日常的に活用する世代です。この記事では、そんなZ世代のSNS利用動向と、この世代に効果的なSNSマーケティングのポイントを紹介しました。

Z世代は今後、消費の重要な担い手となる世代です。消費市場での影響力をさらに拡大していくことが予想されるため、マーケティングにおいてますます重要視されるでしょう。Z世代が共感する要素や、どのような消費行動をとるのかを理解し、今後のマーケティング活動に生かしていきましょう。

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