調査レポート

終戦記念日に見る世代間ギャップ|SNS投稿データが示す若者と中高年の意識差

AIQ株式会社独自のAI分析技術を駆使し、インスタグラム上で集計したハッシュタグの投稿データを可視化し、気になるワードを選定・分析した調査レポートを配信しています。

 

調査内容・結果

8/15に第二次世界大戦の終結を記念する終戦記念日のハッシュタグ「#終戦記念日」について、15日にタグ付け数が急増した。タグ付けしているユーザーの多くは20代男性が最も多く、その他20~30代の女性が約半数を占める結果になった。反対に50代以上の男女ユーザーの投稿がかなり少なく、世代間で終戦に対する戦争や終戦に対する認識の違いが垣間見える。

 

データ詳細

調査対象アカウント数:4,884件
調査方法:当社独自調査・分析ツール

写真のもっとも多い投稿時間は夜の21時

最も多くタグ付け+投稿された時間帯は20:00から21:00の間となった。20代〜30代のユーザーからの投稿が多い中、会社から帰宅した後に投稿していると予想される。

図2:午前0時から午後23時までの1時間毎の投稿数割合

ユーザー属性

投稿しているユーザーの属性は、20代男性からの投稿が最も多い。他にも20~30代の女性ユーザーからの投稿も多く、投稿者全体に占める30代以下の割合は8割にも及んでいる。

図3:男女別の投稿数の割合

都道府県毎の投稿割合

投稿地域は東京、神奈川、北海道、福岡など全国各所でばらつきが見られた。東北地方や四国などの投稿は上位の都道府県の1/3以下となっており、終戦記念日に対する関心度が薄い、あるいはインスタグラムのユーザーの母数が少ない影響があるのではないか。広島や長崎県ユーザーからの投稿も全国的に見るとそこまで高くはないことがわかった。

・東京都 1,119件
・神奈川県 264件
・北海道 191件
・京都府 184件
・大阪府 174件
・福岡県 128件
・愛知県 126件
・広島県 118件
・千葉県 114件
・兵庫県 109件
・長崎県 68件

関連するハッシュタグ

ハッシュタグはお盆、終戦の日、世界平和など、戦争や世界情勢に関連するタグが目立った。

#お盆(387回)
#終戦の日(333回)
#戦争(214回)
#感謝(175回)
#世界平和(150回)
#三浦春馬(118回)
#終戦(110回)
#夏(108回)
#祈り(101回)
#誕生日(88回)
#お盆休み(86回)

各世代で大きく異なる投稿件数。その要因は?

インスタグラムに投稿されていた写真を分析すると、大半は鳩や花、原爆ドームなど終戦に関する写真であるが、一部で自撮りや旅行など、終戦に触れつつも、その日の予定や日常の様子を投稿するケースも見受けられる。

NHKが今年度、全国の18歳と19歳を対象に行った世論調査によると、日本が終戦を迎えた日について、14%が「知らない」と回答し、若者の意識を社会や歴史に向けさせる教育の重要性を指摘している(※1)。実際に10代の男女ユーザーからの終戦記念日に対する投稿やハッシュタグはほぼ付けられておらず、世論調査とSNSの投稿数の相関性が見られる結果となった。

しかし、20代になると各年齢別のユーザー群の中で最もタグ付けされている。タグ付けの手法としては、終戦とは直接関連性の薄いレシピの写真や子供の写真などにも15日にちなんで「#終戦記念日」と付けられるなど、祝日や記念日のような認識で付けられたと考えられる。その他#三浦春馬などのワードも関連してタグ付けされており、亡くなった人への追悼としても使用されている可能性がある。

そして40代以上になると男女ユーザー共に、終戦記念日について話題にしているユーザー及びハッシュタグ数が極端に下がっており、これは戦争に対する捉え方が30代以下の世代と比較して重々しく、気軽に戦争や終戦について公に露出すべきではない、という姿勢や気持ちの現れではないかと推測される。

調査レポートに関する問合せ

AIQ株式会社 担当:大⻄洋平
Email:info@moribus.jp

参照文献

(※1)新しい世代に語り継ぐ学童疎開
カギは「共感」

アイログ編集部
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